来年春に開催される第97回選抜高等学校野球大会(通称センバツ高校野球)の21世紀枠に関する情報が発表されました。今年も全国9地区から推薦された学校が選ばれ、その中から最終的に2校が甲子園の舞台に立つことになります。この21世紀枠は、高校野球の多様性を広げ、教育的な意義を高めるための特別な枠組みとして注目されています。
21世紀枠の地区候補校9校
各地区の候補校9校は以下の通りです。
地区 | 都道府県 | 学校名 | 秋季大会成績 |
---|---|---|---|
北海道 | 北海道 | 道立釧路江南 | ベスト8 |
東北 | 岩手県 | 県立久慈 | 県3位 |
関東・東京 | 神奈川県 | 県立横浜清陵 | ベスト8 |
北信越 | 石川県 | 県立小松工業 | 準優勝 |
東海 | 愛知県 | 名古屋たちばな | 県3位 |
近畿 | 京都府 | 府立山城 | ベスト4 |
中国 | 島根県 | 県立大田 | ベスト4 |
四国 | 香川県 | 県立高松東 | ベスト4 |
九州 | 長崎県 | 県立隠岐 | 準優勝 |
46都府県の21世紀枠候補校が決まった段階で書いた記事で21世紀枠の予想を書きましたが、長崎県の「県立隠岐」と石川県の「県立小松工業」が残りましたね。
また、地元愛知県の「名古屋たちばな」も期待通り東海地区の21世紀枠候補となりましたが、ここ数年の同校のめざましい活躍を見てきましたので、納得の選出という感じです…。
21世紀枠の決定は2025年1月24日の選考委員会で決定
第97回選抜高等学校野球大会の出場校は、2025年1月24日に開かれる選考委員会で決定されます。その場で、注目の「21世紀枠」2校も選出される予定です。
21世紀枠は毎年議論を呼びやすい制度です。実力主義であるべき甲子園に「別枠」が存在することに違和感を持つ声もある一方で、私はこの枠にこそ高校野球の幅広い価値が表れていると感じています。というのも、単に勝敗だけでは測れない「学校や地域が直面する課題への取り組み」や「教育的な意義」が評価されるからです。これは、高校野球を「スポーツ教育の延長」として考えると非常に意味のあることではないでしょうか。
今年の候補校には、多様なストーリーが存在しています。例えば長崎県のある学校は、部員数が少ないながらも地域住民と一体になった活動が高く評価されています。単なる部活動を超え、地域コミュニティの核としての役割を果たしている点は、21世紀枠ならではの魅力といえます。
また、石川県や岩手県の候補校は、伝統ある野球部の土台を活かしつつ、データ活用や地域との協働プロジェクトなど、新しい試みに挑戦しています。「過去の実績」だけに頼らず「未来への投資」として活動している点に、私は強い共感を覚えます。
一方で、北海道や神奈川県の学校は地理的・環境的なハンデを背負いながらも、新しい練習方法を導入したり、独自のチーム作りを実現しています。限られたリソースを逆手に取り、工夫で結果を出そうとする姿勢は、地方と都市部、双方の課題を浮き彫りにしており、21世紀枠の持つ「社会的メッセージ性」を象徴しているように思えます。
2こうして選ばれた学校が甲子園でプレーすることは、単なる勝敗以上の意味を持ちます。グラウンドに立つその姿が、地元の人々に勇気を与え、観客に「努力の形はいろいろある」という気づきをもたらすからです。実際、過去に21世紀枠で出場したチームの多くが、大会後も地域の象徴として語り継がれています。
2025年1月24日の選考では、どの学校が「時代の顔」として選ばれるのか注目が集まります。21世紀枠は予測不能だからこそ面白い。勝利や強さだけではない「高校野球のもう一つの価値」が、今年はどんな形で甲子園に現れるのか…その瞬間を楽しみにして、甲子園という舞台でどんなドラマが生まれるのか、待ち遠しいです。

勝手な憶測ではありますが、長崎県の県立隠岐はほぼ決定的ではないかと思います。
要因は以下の通りです。
1.女子マネージャー4人を含む25人全員が壱岐島出身
2.島外への遠征はフェリーと車で6時間かかる
3.他の3つの部とグラウンドを共用
4.県大会で準優勝し九州大会に出場
5.選ばれれば春夏通じて初出場
第97回選抜高等学校野球大会の東海地区出場校は…
2025年1月24日の選考委員会では第97回選抜高等学校野球大会の出場校が決定されます。
東海地区の出場校は、やはり以下の3校で決定と思います。
- 岐阜県 大垣日大
- 静岡県 常葉大菊川
- 愛知県 至学館
本当に待ち遠しいですね…。